そのホームページの「即日回収します」は要注意 ― 東京23区の家庭ごみ回収で違法業者を見分ける方法
公開日:2026年08月21日

知らないうちに家庭ごみ収集運搬のルール違反に巻き込まれていませんか
不用品の片付けを検討して「東京 不用品回収」などと検索すると、「即日対応」「家中の不用品まとめて回収します」「見積もり後すぐに回収・処分」と謳うホームページがずらりと出てきます。軽トラックで住宅街を巡回する業者を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際にトラブルの相談が増えているのは、こうしたインターネット上で「回収します」と大きく宣伝している業者です。
実はこうした業者の多くが、法律上は家庭ごみを収集する資格を持っていません。そしてこの事実を、東京23区に住む人の多くが知らないというのが現状です。今回は、家庭ごみの収集運搬にまつわる法律のルールと、それを知らないことで起こり得るトラブル、そして業者を選ぶ際に確認すべきポイントについてお伝えします。
東京23区の家庭ごみ収集運搬は区が行うのが原則
まず押さえておきたいのは、東京23区では家庭から出るごみの収集運搬は区が行うことが原則になっている、という点です。練馬区の公式サイトでも、23区では家庭から出されるごみは区が収集することが原則であり、有料無料を問わず、「一般廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物収集運搬業」「古物商」のいずれの許可を持っていたとしても、民間業者がこれを回収すれば違法になると明記されています。[1]
「許可を持っているかどうか」以前に、「そもそも家庭ごみは区が集めるもの」というのが大前提であり、民間業者が独自に家庭ごみを収集・運搬できる場面はありません。北区も、家庭からの不用品を回収できる許可自体を一切出していないと明言しています(テレビ・冷蔵庫など家電リサイクル法対象品目の引き取りは、家電量販店や製造事業者を通じた別の法制度によるものであり、一般廃棄物の収集運搬とは別の話です)。[2]
「一般廃棄物収集運搬業許可」があっても家庭ごみ回収は違法になるケース
不用品回収のチラシやホームページを見ると、「一般廃棄物収集運搬業許可」「産業廃棄物収集運搬業許可」「古物商許可」といった言葉が並んでいることがあります。しかし、東京23区ではこれらの許可が並んでいるからといって、その業者が家庭ごみを合法的に回収できるものではありません。
• 産業廃棄物収集運搬業の許可は、オフィスや店舗など事業活動から出るごみを対象とした許可であり、家庭ごみは対象外です。
• 古物商の許可は、あくまで中古品の売買を行うための許可であり、ごみの収集運搬とは制度上まったく別物です。
• 同じ「一般廃棄物収集運搬業許可」であっても、区が実際に許可を出しているのは事業系一般廃棄物(オフィス・店舗ごみ)向けであり、家庭ごみの収集運搬まで対象にした許可を民間業者に出している区はありません。
この背景には法律上の理由があります。廃棄物処理法第7条5項では、市町村長が一般廃棄物収集運搬業の許可を出せるのは、その市町村自身による収集・運搬が困難であると認められる場合に限られると定められています。東京23区では区自身が家庭ごみを収集する体制がすでに整っているため、この「困難性」の要件を満たしにくく、結果として家庭ごみの収集運搬について民間業者に許可が下りにくい構造になっているのです。
つまり、何らかの許可番号を掲げている業者だからといって、それが「あなたの家庭ごみを収集運搬してよい」という意味にはならないのです。
なぜインターネット上の違法な不用品回収業者はなくならないのか
軽トラックで巡回する業者は見た目から警戒しやすい一方、ホームページやSNS広告で「回収します」と謳う業者は、サイトの作り込みがしっかりしているほど、かえって信頼できるように見えてしまいます。しかし国民生活センターも、インターネットやチラシで大々的に広告を出している業者が、必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限らないと注意を呼びかけています。全国の消費生活センター等に寄せられる不用品回収サービスに関する相談件数は年々増加しており、2021年度には2,000件を超え、前年度比で約25%増加しました。[3]
よくある広告の手口には、次のようなものがあります。
• ホームページで「家中の不用品まとめて回収」「即日対応」と謳い、家庭ごみの収集運搬そのものを自社サービスとして請け負っているように見せる
• 「定額パック◯◯円」「トラック詰め放題◯◯円〜」といった分かりやすい料金プランを前面に出す
• 見積もりや申込みの導線がすべて自社サイト内で完結しており、区への申込みという発想自体が出てこない
こうした業者に依頼すると、「無料のはずが、積み込んだ後に高額な料金を請求された」「最初に聞いていた金額の何倍もの費用を請求された」といったトラブルが報告されています。中には、住所や氏名を知られてしまい、不安から言い出しにくくなるケースや、回収した廃家電・粗大ごみをそのまま不法投棄したり、有害物質を適切な処理をせずに扱ったりする例も確認されています。
ホームページが整っている、口コミ件数が多い、検索結果の上位に出てくる――こうした見た目の安心感は、その業者が家庭ごみを合法的に収集運搬できることの証明には一切なりません。むしろ「当社が回収から処分まですべて行います」と謳っている時点で、23区のルール上は要注意のサインだと考えた方がよいでしょう。
「収集運搬」と「運び出し」の違い ― 合法な片付けサービスの見分け方
では、民間の片付けサービスを頼ることは一切できないのかというと、そうではありません。ポイントは、「収集運搬」と「屋内からの運び出し」は法律上まったく別の作業だという点です。
粗大ごみの収集は、本来、屋外の指定場所に運び出された物を区(または区が委託した収集業者)が引き取るのが原則です。実際、江東区でも、粗大ごみの収集は屋外に運び出された物を対象とすることが原則であり、屋外への運び出しが難しい世帯向けに区が別途、屋内からの運び出しサービスを用意していることが案内されています。[4]
つまり、「家の中から粗大ごみを運び出して、区の収集場所まで運ぶ」という作業自体は、収集運搬業の許可がなくても行える労務・搬出サービスであり、実際に廃棄物を収集・運搬して処分するのは、あくまで区(またはその委託業者)の役割だということです。ここを混同してしまうと、「運び出しを手伝っただけの業者」も「違法に家庭ごみを収集運搬している業者」も同じように見えてしまいます。
不用品回収業者を選ぶときに確認すべき4つのポイント

1. ホームページに「当社が回収・処分します」と書かれていないか
区が原則収集する家庭ごみについて、「自社の許可で回収・処分します」という説明をしている業者は要注意です。申込みは依頼者本人が区の窓口に対して行い、業者は屋内からの運び出しまでを担う、という形であれば、区のルールに沿った適正な進め方といえます。サイト内に「区への申込み」という案内が一切なく、自社完結で回収まで謳っている場合は特に注意しましょう。
2. 料金体系が明確か
「無料」「格安」「定額パック」という言葉だけを鵜呑みにせず、作業前に総額の見積もりを取りましょう。
3. 見積もりと異なる金額を提示されたら、その場できっぱり断る
依頼後に無許可・違法な業者だと分かった場合も、作業を中断する権利があります。
4. 許可番号を自治体の公表情報と照合する
ホームページに許可番号が記載されている場合は、それを鵜呑みにせず、依頼先の区が公表している許可業者一覧と照合しましょう。多くの区は公式サイトで一般廃棄物処理業の許可業者リストを公開しています。番号が一致しない、あるいはそもそも一覧に載っていない場合は要注意です。
片付け堂東京店は、東京23区のルールに沿って対応しています
私たち片付け堂東京店は渋谷区を拠点に、新宿区・世田谷区・目黒区・杉並区・中野区をはじめ東京23区の幅広いエリアで運び出しサービスに対応しています(運営元の石尾産業株式会社は、これとは別に、渋谷区を中心に東京都内15区で一般廃棄物収集運搬業許可と東京都の産業廃棄物収集運搬業許可のもと、事業系ごみの収集運搬業務も行っています)。粗大ごみなど家庭ごみの収集運搬そのものは、各区と連携する形をとっています。区の粗大ごみ受付センターへの申込みは、私たちが代理で行うことができないため、依頼者様ご自身にお願いしております。その上で、私たちが担うのは、家の中にある不用品を区の収集場所まで運び出す作業です。
「早く片付けたい」「自分では運び出せない」という時に頼れる存在でありたいと考えていますが、それはあくまで区が原則を定める家庭ごみのルールに沿った形で、です。片付けの相談をいただいた際には、収集運搬と運び出しの違いについてもあわせてご説明しています。
不用品の片付けは、日々の暮らしの中でつい後回しにしがちなことです。だからこそ、ホームページの見た目や口コミの多さだけで判断せず、「区のルールに沿って仕事をしているか」を、ひとつの安心材料として確認していただければと思います。
片付け堂東京店では、区のルールに沿った運び出しサービスについて、無料でご相談・お見積りを承っています。お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q. 不用品回収業者に家庭ごみを回収してもらうのは違法ですか?
東京23区では家庭ごみの収集運搬は区が行うのが原則です。有料無料を問わず、区が委託した収集業者を除く民間業者が家庭ごみを収集・運搬すれば、違法行為になります。
Q. 「一般廃棄物収集運搬業許可」を持っている業者なら家庭ごみを回収してもらえますか?
できません。同じ「一般廃棄物収集運搬業許可」でも、区が民間業者に出している許可は事業系一般廃棄物(オフィス・店舗ごみ)向けであり、家庭ごみの収集運搬まで対象にした許可を出している区はありません。
Q. 粗大ごみの「運び出し」だけを業者に頼むのは違法ではありませんか?
違法ではありません。区への申込みや実際の収集・運搬・処分は区(または区の委託業者)が行い、業者は屋内から屋外の指定場所まで運び出す作業のみを担う、という形であれば、収集運搬業の許可がなくても提供できるサービスです。
Q. すでに無許可の業者に依頼してしまった場合はどうすればいいですか?
見積もりと異なる高額な料金を請求された場合などは、その場で支払いを了承せず、作業を中断する権利があります。トラブルになった場合は、消費生活センター(消費者ホットライン188)や、お住まいの区の担当窓口に相談することをおすすめします。
出典
本文中の [1][2][3][4] は、それぞれ以下の出典に対応しています。
[1] 練馬区「ポスティングされたチラシを見て安易に電話をしないようにしましょう」 https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/syouhiseikatu/posuthinnguchirashi.html
[2] 東京都北区「違法な不用品回収業者にご注意ください」 https://www.city.kita.lg.jp/living/bins/1018220/1002058.html
[3] 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル―市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!―」
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20221102_1.html
[4] 江東区「粗大ごみの運び出し」 https://www.city.koto.lg.jp/388010/kurashi/gomi/kate/sodaigomi/7371.html
この記事を書いた人
石尾産業株式会社(片付け堂東京店 運営元)
創業1968年、東京都渋谷区を拠点に50年以上にわたり廃棄物処理事業を行う専門企業です。渋谷区をはじめ東京都15区で事業系一般廃棄物収集運搬の許可を持ち、事業系一般廃棄物だけでなく産業廃棄物の収集運搬も行っています。個人のお客様向けには「片付け堂東京店」として、不用品の運び出し・生前整理・遺品整理・ゴミ屋敷清掃などの片付けサービスを提供しています。



