
ゴミ屋敷になったのは、本人の性格によるものと考えている人も少なくありません。しかし、実は病気が関係している可能性もあります。ゴミ屋敷化は本人のせいと安易に決めつけず、原因を究明することが重要です。
この記事では、ゴミ屋敷の原因となる病気や対処法などについて詳しく解説します。
ゴミ屋敷で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
ゴミ屋敷の原因と考えられている主な病気とは?

ゴミ屋敷の原因と考えられている病気は8つあります。
ここでは、それぞれの病気について解説します。
ためこみ症
ためこみ症は別名「ホーダー」とも呼ばれています。モノを過剰に集めたり、ため込んだりすることで安心感を得られる反面、モノを捨てることに悲しみや罪悪感を覚えてしまうという病気です。ためこみ症を発症する原因ははっきりしていませんが、遺伝や幼少期の育ち方などが関係していると考えられています。
買い物依存症
買い物依存症とは、現実逃避の手段として買い物を繰り返してしまう依存症の1種です。購入したモノを処分せずに次から次への新しい商品を購入していくため、ゴミ屋敷化が進みます。買い物依存症は、嫌なことや不安なことがあり、それから逃れたいという心理で発症するケースが多いようです。また、比較的若い女性に多い症状です。
セルフネグレクト
セルフネグレクトとは、「自己放任」とも呼ばれます。一般的なネグレクトは、子どもや高齢の親などの世話を放棄することですが、セルフネグレクトは自分自身の世話、例えば食事や入浴などがおろそかになります。発症原因は主に、認知症やうつ病、親しい人の死などが挙げられ、危険な状況に陥るリスクが高いため、周囲のサポートが必要不可欠です。
強迫性障害(OCD)
強迫性障害は精神障害の一種で、本人の意志とは関係なく、同じ思考や同じ行動を繰り返す病気です。自傷行為や抜毛症なども強迫性障害のひとつとされています。例えば、ゴミ屋敷なのにゴミを捨てられないといった、自分の意志とは異なる行為を繰り返します。また、モノへの強い執着心があることも特徴です。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHDは、モノをなくしやすい、注意力がない、落ち着きがないといった症状が出ます。精神的な病気というよりも、発達障害の一種として扱われるケースが一般的です。整理整頓が苦手で、ゴミ捨てのルールが理解できず、ゴミ屋敷化することもあります。また、ADHDは子どもだけではなく、大人でも悩まされている人が多数存在します。
うつ病
うつ病とは、気力がまったく湧かなくなる精神障害です。うつ病が発症する原因は、仕事や私生活などで、過度なストレスを受け続けることとされています。無気力状態に陥り、部屋の整理整頓やゴミ出しなどもできなくなって、ゴミ屋敷化が進みます。多くの場合、本人には片付ける気力がないため、業者に依頼して整理することをおすすめします。
認知症
認知症は、記憶力が低下していく病気です。物忘れがひどくなりゴミを出したかどうかが分からなくなるだけではなく、自分の意志で行動をするのも困難になっていきます。そのため、ゴミ出しができなくなり、ゴミ屋敷化が進行するケースも少なくありません。高齢者だけの病気ではなく、「若年性認知症」を発症するケースもあるため注意が必要です。
統合失調症
統合失調症は、精神分裂症とも呼ばれる精神疾患です。感情・思考・行動がバラバラになってしまう病気で、行動や会話が支離滅裂になるという特徴があります。そのため、掃除をしていても、すぐに別のことを始めてしまうなど、整理整頓や掃除が進みません。部屋が汚いことで自分を強く責めてしまう傾向があるため、業者などに片付けを依頼するのが効果的です。