
遺品整理とは、故人が生前に所有していたすべての物品を片付ける作業のことです。
具体的には、不動産以外のすべての形ある物品ひとつひとつについて、それぞれをどのように処分するか考えて判断し、物理的に物品をなくしていく片付け作業です。
物品が一定量あるいはそれ以上にあるため、遺品整理にはかなりの労力を伴います。自分たちでやるにしても業者に任せるにしても、無計画に見切り発車で行うと作業が進まないどころか、時にはトラブルに巻き込まれたり、失敗や後悔をすることがあるのです。
大切なものをきちんとした形で残せず後悔しないようにするためには、以下のようにさまざまな事柄について、確認や調査、比較検討、準備などが必要になります。
- 遺品整理の期限
- 自分で行うやり方と必要道具
- 物品ごとの適正な処分先
- 遺品整理業者に頼んだ場合の費用
- 遺品整理業者にできること
また、自分で行うか業者に依頼するかを検討するにおいても、次のようなメリットとデメリットを考慮しなければいけません。

本記事ではこのように、遺族であるいまのあなたに必要な情報を提供し、それぞれをわかりやすく解説していきます。
<本記事を読めばわかること>
- 遺品整理とはどのようなものか
- 遺品整理を終わらせるべき期日
- 自分で行う遺品整理と業者に依頼する遺品整理の違い
- 遺品整理業者に頼める内容
- 自分で行うか業者に依頼するかの判断ポイント
さらに、遺品整理を自分で行う方に向けては、手順や仕分け方法を、必要な道具からご紹介。
一方、自分たちの手では遺品整理を行うことができないという方のため、信頼できる遺品整理業者の選び方をお伝えします。
これさえ読めば、遺品整理は失敗することなくスムーズに行うことができます。どうぞ最後までご覧ください。
1. 遺品整理とは

冒頭でもお伝えしましたが、遺品整理とは、故人が生前に所有していた不動産以外のすべての物品について、それぞれをどう処分するか適切に判断し、実際の処分まで行う作業のことです。
「遺品」に当たるもの
すべての形ある物品
「遺品」に当たらないもの
不動産(土地とそこに建てられたもの)
※注意:遺品に土地や建物は含まれませんが、「不動産登記簿」は書類なので遺品に含まれます。
具体的には、遺品のうち主に財産に関する物品(有価証券、不動産登記簿、預金通帳、生命保険関連資料など)は、法律や法的拘束力のある遺言状に従って相続されるので、それぞれ必要な人が受け取ります。それ以外の物品については、遺族や故人の友人にとって思い出深いものを形見として分けたり、次の使い手を探したり、リサイクル回収に出したり廃品処理します。
遺品整理は、一人の人間が生前に所有していた物品すべてを物理的に分類して処分する作業のため、肉体的にも精神的にもかなりの負担が生じるものです。
2. 遺品整理をするべき時期
遺品整理は、故人の死後であれば基本的にいつ行ってもいいものです。
しかし、下記のようなケースでは、それぞれの期日を意識して計画的に進めた方がいいでしょう。

ご覧いただくとわかるように、最も早いものだと死の翌日には遺品整理を行わないといけない場合があります。
あなたの状況に当てはまるものがないか、それぞれのケースを詳しく見ていきましょう。
2-1. 高齢者施設に住んでいた場合:早いと翌日、長くても一週間
いわゆる老人ホームと呼ばれる高齢者施設では、死後だいたい一週間以内には退去を求められるのが一般的です。
介護医療院をはじめとする公的施設でも、介護付き有料老人ホームをはじめとする民間施設でも、基本的に高齢者施設の契約は「1日単位」です。そして入居希望者が多く、待機者の出ているところも少なくありません。空室ができた場合には、できるだけ早く次の方に入居してもらいたい…というのも、施設の立場でみれば仕方のないことです。
そのため、高齢者施設での遺品整理は、何よりも時間が優先されます。
施設に置いてある荷物が少なければ、とりあえずすべて自宅に持ち帰ってから遺品整理に取り掛かることもできますが、荷物が多い場合は、清掃まで迅速に行ってくれる業者を頼ることもひとつの手です。
2-2. 賃貸住宅に住んでいた場合:契約料が発生。公営住宅は49日以内退去の規則
月ごとに契約料の発生する賃貸住宅の場合は、タイミングによって数日〜1ヶ月以内に退去しないと、次の契約料が発生してしまいます。
また、公営住宅では住人が死去した場合、遅くとも49日以内に退去しなければいけないという規則があります。
一般賃貸でも、不動産屋さんや大家さんによっては同様の規則を設けている場合も。
賃貸住宅での遺品整理は、契約更新のタイミングの確認をし、契約内容をしっかり読み直すなど、計画的な行動が必要になります。
2-3. 死亡通知状を送る場合:葬儀の3日前まで、もしくは初七日頃
死亡通知状は、故人と交流のあった人たちに対して、本人が亡くなったことを知らせるハガキです。
遺族の代表者が、故人の関係者に死亡したことをお知らせします。
ハガキを郵送するので、当然ながら送り先の住所や氏名が必要です。そのため、故人の手帳や手紙などから、故人の死を伝える相手を洗い出す必要があります。
葬儀の案内を兼ねた死亡通知状を出す場合は、式の段取りが決まり次第すぐに発送手配をします。できれば葬儀の3日前までに相手に届くのが失礼のないタイミングです。
家族葬などで葬儀への参加を案内しない場合は、初七日辺りに事後報告として送付します。
死亡通知状を出す場合は、すべての遺品整理を終えずとも、ひとまず遺品の中から住所録を探し出す作業が早々に必要になるということを覚えておきましょう。
2-4. 形見分けをする場合:四十九日の法要の際が一般的
形見分けは、親族が一堂に集まるタイミングで行うのが一般的です。
通常、葬儀の後に親族が一堂に集まるタイミングは、四十九日の法要になります。
そのため、この四十九日の法要に合わせて遺品整理を行い、形見分けの品物を分類しておくという方が多いのです。
距離や身体上の理由で法要に出席できない親族には、後日送付することも可能です。
2-5. 財産相続の手続きをする場合:死去から10ヶ月後までに申告必要
葬儀や納骨、法要など、慌ただしい儀式が終わってひと息ついた頃に落ち着いて行いたいのが、相続に関する手続きです。
銀行の通帳や有価証券、登記簿など、ほかの遺品と分けてわかりやすい状態でまとめてあることが大切です。
死去から10ヶ月後までというと余裕があるように感じますが、万が一申告が遅れると相続ができなくなります。故人の想いを受け取って安心させるためにも、早めに手続きをしたいものです。
2-6. 実家売却控除の申請をする場合:親が実家に住まなくなった日から3年目の12月31日まで
親が住んでいた実家を、親の死去に伴い売却した場合、最大3,000万円までの控除が受けられます。
この控除は「親が実家に住まなくなった日から3年目の年末まで」と、対象期間が長く設定されているので、時間的猶予がもっともある期限です。
しかし実家の遺品整理は、部屋数に加えて荷物の多さによって、なかなか個人の手では進まないのが実情です。
子どもが実家住まいだった頃の荷物を残している場合もありますし、親が老齢によって身体的に動きにくくなると、片付けが進まずにゴミ屋敷になってしまうケースも非常に多いからです。
そして注意したいのは、「親の死去」ではなく「親が実家に住まなくなった日」が起算日であること。
生前に住民票が別の場所に移動されていることがないか確認し、売却に時間がかかることも想定しながら、業者に頼るなどして計画的に進めることが大切です。
2-7. 【注意】期限がなくても早めに済ませた方がいい
故人と同居していた場合や、相続手続きが済んでいる場合などは、期限なくゆっくりと遺品整理に時間をかけることができるでしょう。
しかしこのケースでも、できるだけ早めに終えた方がいい理由があります。
■物の傷みが早くなる
使い手のいなくなった物品は、日焼けしたりほこりを被ったりして傷み方が早くなります。
買取や形見分けなどを考えている物があるのであれば、状態がいいうちに整理をすませるべきでしょう。
■買い手がつかなくなる
ブランド品は新しいモデルほど買取額が高く、古いモデルのものは買い手すらつかないこともあります。
電化製品のほとんどは製造から5年を過ぎたものは売れず、むしろ不用品の回収手数料がかかることになるのです。
少しでも収益を望めたかもしれないものを、不用品にさせてしまわないようにしましょう。
■遺族の年齢が上がる
高齢になると体力的な理由から、日常の片付けも困難になってきます。特に故人と同居していたケースでは、自分の目の届く生活圏にあるため、そのうちやろうと思うままつい手をつけられず放置してしまうことが多いのです。
老老介護であった場合は特に、業者など積極的に人の手を借りるなどして早めにすませた方がいいでしょう。
多くの方が、「自分の死後に周囲に迷惑をかけたくない」と思っていらっしゃいます。
適切なタイミングを逃すことで、遺族が損をしたり得られるはずの収益を得られなかったり、時に自分の遺品のせいで怪我などしたりするのは、故人にとってうれしいものではありません。
遺品整理は肉体的にも精神的にも大変な労力を伴う作業ではありますが、できるだけ早い段階で人手を募り、計画的に進めていきましょう。
3. 遺品整理の仕方

遺品整理には、自分で行う方法と、遺品整理業者に依頼する方法があります。
それぞれの特徴やメリットデメリットを詳しく見ていきましょう。
3-1. 自分で遺品整理する
同居家族の世代や人数が多かった時代には、遺品整理は遺族だけで行うのが主流でした。
初めて遺品整理を行うという方のため、具体的なやり方は第5章で詳しく説明しますが、まずは遺品整理を自分で行う場合のメリットとデメリットについてお伝えします。
遺品整理を自分で行うメリットとデメリット
メリット
- マイペースに進められる
- 費用が安く済む
- すべて自分たちで把握できる
デメリット
- 時間がかかる
- 労力がいる
- 物品ごとの処分方法を調べて適切に処理しなければいけない
故人と同居していた場合は、整理する遺品は故人の使用していた部屋を中心に限られたスペースとなるため、「衣替えと年末の大掃除を同時に行う」といった規模感で、マイペースに進めることができるでしょう。
とはいえ、先の章でもお伝えしたように、時間をかけ過ぎると物が傷んだり売るタイミングを逃してしまったりすることがありますので、できるだけ早い段階で計画的に行いたいものです。
また、故人が単身で住んでいた住居を遺品整理する場合は、「処分するものの多い引っ越し」という規模を想定して、相応の人手の用意や所要時間の予定をしておきましょう。
3-2. 遺品整理を業者に依頼する
「初めての遺品整理で何から手をつければいいのか分からない」「そもそも片付けができるような若い人手がない」などの理由で、遺品整理を業者に任せるケースが全国的に広まっています。
しかしここ20年ほどで一気に需要が高まってきたサービスなので、現時点では、遺品整理業に関する法整備がほとんど整っていません。
そのため不用品を不法投棄したり、不当に高額な料金を請求するような業者も少なからず存在するため、業者に頼む場合は第6章でご紹介する「業者選びのポイント」をしっかり押さえて、信用できる業者を選んでください。
まずは遺品整理を業者に依頼する場合のメリットとデメリットを確認しましょう。
遺品整理を業者に依頼するメリットとデメリット
メリット
- 早く終わる
- 物品ごとの処分方法の知識と手段に頼れる
- 肉体的な負担が減る
デメリット
- お金がかかる
- 業者そのものの比較検討が必要になる
- 肉体的な負担が減る
業者に依頼することの最大のメリットは、やはり時間と的確な処理です。
遺品整理業者にどんなことを任せることができるのか、料金はどれくらいかかるものなのか、順に詳しく見ていきましょう。
遺品整理業者に任せられること
遺品整理の作業内容は、大まかに言って「分類・買取・処分・清掃」の4項目に分けられます。
遺品整理業者には、4項目すべての作業を任せることができます。
遺品整理する場所が居住地から遠すぎたり、身体的な理由で作業現場にいられなかったりする場合には、立ち合いなしで業者に完全に任せきることもでき、そのケースは年々増えています。
■分類
遺族に対して配慮しながらも、機械的に分類作業をしてくれます。
金融関係の書類なども見慣れているため、パッと見ただけで大事な物かそうでないかの迅速な判断ができます。
形見分けの品についても、だれに何を贈るのかの指示だけ出せば、それぞれに分類・梱包してくれます。
■買取
趣味の収集物等で、本当は価値のあるものなどを間違えて廃棄処分してしまう心配がありません。また、カメラや宝飾品など、個別の専門買取業者に持ち込む手間が省けます。
多くの業者が、買取額を遺品整理の費用から差し引いて算出するため、遺品整理の費用を安く抑える結果になることもあります。
■処分
電化製品や大型家具などの処分は、地域によって回収してくれる時間や場所が決まっています。
また、リサイクル法の知識等もあるため、リサイクルと廃棄の判断、およびそれらに伴う手数料の算出がその場でできます。
■清掃
老人ホームからの退去の際は、清掃は自宅よりも入念に、除菌までしっかり行う必要があります。
また、孤立死で死後長期経過してしまった場合は、特殊清掃という、専門業者でしかできない掃除も必要になります。
引越しを業者に依頼したご経験のある方も多いと思います。通常の引越しでは、自分で荷造りした荷物を業者に運び出してもらい、転居先で積荷を下ろしてもらいますが、遺品業者の業務は「転居前の荷造りから運び出しと掃除までをやってもらうイメージ」をすると、わかりやすいでしょう。
立ち合いであればもちろん、形見分け先ごとの梱包といった、遺族でしか分からない細かい作業もその場で行うことができるので、業者に任せ切るのも一緒にやるのも、どちらにもそれぞれのメリットがあります。
遺品整理業者の料金相場

遺品整理業者のサービス内容がわかったところで、いくらくらいかかるものなのか、料金相場を知りたい方のため、間取りごとの全国的な遺品整理料金の相場をまとめました。
実際の料金は荷物の量や内容で前後しますが、全国的な平均値は以下の通りです。
参考:みんなの遺品整理
- 1Kの高齢者施設個室など、限られた居住空間の遺品整理はおよそ37,000円〜
- 2DKのアパートなど、単身または夫婦二人暮らしの住居でおよそ110,000円〜
- 3LDKのマンションなど、家族2〜4名暮らしの住居でおよそ187,000円〜
- 4LDK以上の戸建で、部屋数も整理する物も多いところではおよそ228,000円〜
遺品整理にかかる費用は、単純に部屋数だけでなく、中にある荷物の量や汚れ具合などに影響されるため、実際にかかる費用のおおよその目安としてください。
なお、費用の大部分は人件費なので、都会ほど高くなる傾向があります。一方で、遺品整理業務を扱う会社が多いエリアでは、競争によって相場が低くなる傾向もあります。
各エリアの遺品整理にかかる料金を、間取りごとに一覧にしましたので、当てはまるものをご確認ください。
■1K、1DK、1LDKの遺品整理にかかる料金相場

■2DK、2LDKの遺品整理にかかる料金相場

■3DK、3LDK、4LDK〜の遺品整理にかかる料金相場

実際に見積もりを取る際には、この一覧と比べてかけ離れていないか、大きく異なる場合にはどんな理由があるのかを、しっかり説明してもらいましょう。
4. 自分でやるか業者に依頼するかを決めるポイント
遺品整理を自分で行う場合と業者に依頼する場合、それぞれのメリットや特徴についてご案内しましたが、自分はどちらを選べばいいのか悩まれている方のため、決め手となるポイントを4つお伝えします。
ひとつずつご自身のケースに照らし合わせつつ、先の章の料金相場と合わせて参考になさってください。
4-1. 期限の有無で決める

第2章で説明した各種の期限によって、遺品整理を終えていなければならない期日が迫っている場合は、業者に依頼した方が早く済むでしょう。
身内だけで行うと、故人のものを見ながらつい感傷に浸ったり、思い出話に花が咲いたりすることもあります。
業者に入ってもらい、遺品整理をこの時間までに終える予定であるという状態であれば、集中して作業を進めることができます。
期限がない場合は、身内だけでゆっくりと、故人との思い出を楽しみながら行うのも良いでしょう。
4-2. 距離の遠近で決める

故人の住居が遠方で、何度も通ったり泊まり込んだりしての作業ができないという場合は、故人の住居周辺の業者に依頼した方が効率的です。
業者によっては、見積もりから実際の作業まで、すべてを立ち合いなしで完了することができます。事前に鍵を預かって内見したうえで見積もりを出し、相続関連書類や形見分け品の分類、買取手配からゴミの回収・清掃まで、すべてを任せることができるのです。
同居の場合や、別居でも何度も足を運べる近距離であれば、自分たちで行うのが良いでしょう。
4-3. 種類や量の多さで決める

故人が多趣味だったり、物を捨てられない状態だったり、素人目に見てもパッと見て量が多いと感じる場合は、業者の手を借りた方が無難です。
遺品整理は「処分するものの多い引っ越し」です。
「処分」とひと口に言っても、売ることのできる物かリサイクルか廃棄か、持ち込み先や廃棄日時・場所はどこかなど、調べたり判断したりすべき要素はたくさんあります。
物が多ければ多いほど、判断しなければいけないことが多くなり、これは時に肉体的な労力よりも大きな負担がかかるのです。
故人が生前整理を済ませているか、もともと断捨離生活をしていたなどで物が明らかに少ない場合は、自分たちだけで行えるでしょう。
逆に、事故や病気などによる突然の死で遺品整理を行う場合は、業者に頼る方が良いでしょう。
4-4. 協力者の有無で決める

業者に支払う遺品整理の料金の内訳で、多くを占めるのは人件費であるとお伝えしました。
正規の資格を持つ人物に支払う信用代や不用品の廃棄手数料等を引くと、残りは「力仕事のできる人間への謝礼」と言っても過言ではありません。
ふだんから親戚づきあいが密で、ひと声かければ力仕事のできる若い人手が同日に集まることのできる関係性であれば、遺品整理は身内だけで十分にできます。
もちろん、親戚でなくても、近所や町内会などのつきあいが密で、地域の青年団などの力を借りることができるのであれば、業者を頼む必要はありません。
遺品整理に協力してくれる人手が望めない場合は、業者に依頼するのが良いでしょう。
5. 遺品整理を自分で行う方法

遺品整理を自分の手で行う方のために、具体的なやり方をお伝えします。
遺品整理はを業者に頼らず自分たちだけで行うのは、やはり精神的にも肉体的にも、相応の労力のいるものです。
人手や時間、必要な道具などをしっかり準備して、ひとつひとつ落ち着いて片付けていきましょう。
まずは道具の用意から行いましょう。
大掃除や引っ越し作業と同じ要領ですので、以下のものを用意してください。
ホコリ除け
◻︎マスク、◻︎ゴーグルまたは防塵メガネ、◻︎軍手
仕分け用
◻︎ゴミ袋、◻︎ダンボール箱、◻︎ガムテープ、◻︎緩衝材、◻︎ビニールひも、◻︎ハサミ、
◻︎クリアファイル、◻︎ジップ式の袋、◻︎マスキングテープ、◻︎油性ペン
搬出用
◻︎養生用大判バスタオル、◻︎台車、◻︎キャリーベルト
掃除用
◻︎脚立、◻︎工具セット一式、◻︎バケツ、◻︎掃除用洗剤一式
道具の準備ができたら、さっそく物の分類を始めていきます。
5-1. 遺品を分類する
大まかには「残すもの」と「処分するもの」に分けます。
そして「残すもの」については、用途や目的でさらに仕分けしていきます。
5-1-1. 財産に関するもの
銀行通帳、印鑑、有価証券、不動産の登記識別情報、生命保険関連の書類など
上記のものは、クリアファイルやジップ式の袋に入れて、マスキングテープとペンなどを使い、わかりやすく目印をつけてまとめておきます。
できるだけ早い段階で安全な場所に確保しておきましょう。
5-1-2. 記録に関するもの
日記、手帳、住所録、手紙、写真、パスポートなど
交友関係や行動のわかるものをまとめておきます。
大きさが異なったりかさばったりするものなので、専用に小さめのダンボール箱を用意して入れていきます。
後日使う機会のあることが多いものなので、ダンボール箱にわかりやすく内容物を記載しておきます。
5-1-3. 金銭的な価値のあるもの
カメラ、時計、貴金属、宝飾品、ブランド品、和服など
緩衝材で簡単に包むなどして、それぞれ傷がつかないように種類ごとに分けておくといいでしょう。
すでに引き取り手の決まっているものであれば、相手ごとにダンボール箱を用意して、その中に収めていきます。
5-1-4. 思い出の品
趣味のコレクション、装身具、書籍など
故人が愛用していたものなどで棺に収められなかったものや、よく身につけていた物などがあれば、ここに分類します。
5-1-5. 処分するもの
日用品、食品、家具、電化製品、衣類、布団、車椅子、介護用ベッドなど
寄付や廃品回収など、それぞれに合った適切な方法で手放します。自治体のゴミ出しルールをよく確かめてください。
大型家具や電化製品などは、回収の際に引き取り手数料の発生するものもあります。
5-2. 分類ごとに片付ける
先の項で分類したものを、それぞれに適切な方法で片付けていきます。
5-2-1. 財産に関するものは10ヶ月以内に手続きする
相続手続きは死去から10ヶ月後までに済ませないといけません。
必要な書類がすべて揃っているか、本人との関係や遺言状の有無の確認など、相続手続きには様々な確認事項が伴います。安全かつすぐに取り出せる場所に保管して、早めに関係各所に連絡をしましょう。
5-2-2. 記録に関するものは2〜3年ほど保管する
住所録から漏れていたなどの理由で、故人の死を知らないままでいる方から、季節の便りや年賀状などが届くこともあるでしょう。
若くして亡くなった場合は、どんなに仲が良かったとしても、携帯電話やSNSでしかお互いに連絡先を知らない場合もあります。
故人との関係を知る手がかりのためにも、記録に関する物は死後2〜3年保管しておきます。
5-2-3. 金銭的な価値のあるものは買取依頼
物品の買取をしてくれる業者には、決まった種類の物だけを専門に扱う業者と、なんでもまとめて一括で請け負う業者とがあります。
また、買取業者を通さず、個人間取引のオークションやフリーマーケットなどに出品する方法もあります。
この3つの方法において、買取金額の高さと、買取成立までにかかる手間はおおよそ反比例していると言えます。

個人間取引は買取手がつくまで時間がかかる場合もあるため、その間にきちんと保管しておく相応の場所も必要になります。
それぞれの特徴をしっかり踏まえ、費用対効果の落とし所を決める事が大切です。

5-2-4. 思い出の品は形見分けまたは供養
形見分けは、故人と生前親しくしてくれた人に対して、故人が大事にしていた品物を思い出として分けるものです。
だれに何をあげるかの決まりはありませんし、物品そのものの価値がそのまま相手との親密度を表すものでもありません。相手が故人を偲びながら喜んで使ってくれそうなものを、生前の交流に対する感謝を込めて分けます。
なお、意外に思うかもしれませんが、形見分けは「包まない」のがマナーです。そのままでは傷がつく心配のあるものは、ごく簡単に懐紙などに挟んだり、袋に入れるなどして渡しましょう。
手渡しするのがベストですが、遠方の場合は事前に相手にひと言伝えてあれば、郵送しても構いません。
まれに形見分けをお断りされる場合もありますが、形見分けはあくまでも「気持ち」のものなので無理強いはせず、その場合は別の方に渡すか、ご供養をしてください。
ちなみに「まだ使えるから/新品だからだれかに使ってもらおう」というのは、形見分けではなく寄付や寄贈であり、次の項の「処分」に当てはまります。
5-2-5. 処分するものは寄付またはリサイクル・廃棄する
買取依頼できるほどの金銭的価値がなく、形見分けの対象にもならないものは、身内で使ったり寄付したりします。それでもまだ残るものについては、リサイクル品として資源回収に出すかゴミとして廃棄します。
実はこの作業こそが、遺品整理に関わるすべての作業の中で、もっとも時間と労力のかかる部分になります。
大型家具や家電の解体や搬出といった物理的な労力に加え、それぞれの物品をその状態に合わせて、適切に処分する方法を調べたり考えたりするのです。
人の手を借りるなどして、できるだけ負担を分散させて進めていきましょう。
処分の段階でまず最初に注意したいのは、近隣への配慮と空き家トラブル。具体的には以下の点です。
- 大物家具の解体や処分は夜間に行わない
- ゴミは小分けにして出す
- 日用品や衣類を捨てる際は中が見えないようにする
- 空き家であることを知られないようにする
特に、実家の相続はしたものの転入または売却の予定が先であるといった場合は、空き家トラブルに巻き込まれる可能性あります。
郵便受けにチラシが溜まっていたり、庭に雑草が生えていたりすると、不法侵入などのリスクが高まるのです。空き家の中で犯罪が行われたり放火されたりする危険もあり、周囲の治安にも悪い影響を与えることがあるため、空き家であることを容易に周囲に知られないよう用心が必要です。
なお、近年増えている介護用品の処分については、以下に特記しておきます。
【介護用電動ベッド】
買取
・中古品はあまり売れないため、買取をしてくれる業者はほとんどない。
・重量があり配送料が高額になるため、個人間取引には向かない。
廃品回収
・大型過ぎるため、粗大ゴミとしての回収は事前に解体が必要。
寄付
・社会福祉協議会や担当のケアマネージャー、販売店に相談すると、引き取り手がある場合も。
介護用電動ベッドは解体して粗大ゴミとして手数料を出して回収してもらうことになりますが、運が良ければ無料で引き取り手が見つかることもあります。
【車椅子】
買取
電動式のものでなければ、買取はほぼ成立しない。
廃品回収
粗大ゴミとして回収される。
寄付
グループホームやデイサービス、社会福祉協議会では寄付を歓迎している。
一般的な介護用の車椅子は買取してもらえる事はまずないため、廃棄するか、喜んでくれる人に使ってもらうのが良いでしょう。
【紙おむつ】
買取
なし。
廃品回収
燃えるゴミとして回収される。
寄付
社会福祉協議会や介護施設では寄付を歓迎している。
一部は災害時用の簡易トイレとして保管しておくと安心ですが、大量にある場合は必要としている人に譲るのが良いでしょう。
6. 遺品整理業者の選び方

遺品整理を自分で行う方法とその内容がわかったところで、やはり業者に依頼したいと思う方もいらっしゃるでしょう。
どんな業者なら安心して遺品整理を任せることができるのか、業者選びのポイントをご紹介します。
不法投棄や高額な追加請求などのトラブルに巻き込まれないよう、必ず以下のポイントを叶えている遺品整理業者を選んでください。
- 資格を持っていること
- 対応が丁寧なこと
- 返事が早いこと
- 現場を見て見積もりを出してくれること
- 相場料金相応であること
それぞれ詳しく説明していきます。
6-1. 資格を持っていること
遺品整理を業務として行う「遺品整理士」という資格を持っている業者を選ぶのが、まず大前提で押さえておきたいことです。
遺品整理士の資格は一般社団法人遺品整理士認定協会で与えているものです。養成講座で専門知識を学び、認定試験に合格した人だけが持つ資格になります。
単に物品の整理知識をつけているだけではなく、故人を偲ぶ遺族の気持ちに寄り添うことを目指しています。
そのため専門家として適切な判断をしながらも、身内を亡くしたばかりの遺族に対してのデリカシーを持って遺品整理を行ってくれます。
6-2. 対応が丁寧なこと
電話でもメールでも、対応に少しでも「雑さ」を感じる業者は、選ぶべきではありません。
故人の遺品を丁寧に扱ってくれるかどうかに加え、自分以外の周囲への配慮にも心配が残ります。
特に老人ホームなどの施設からの退去の場合は、他の居住者をあまり刺激しないように配慮しながら、迅速かつ確実に作業してもらう必要があります。
また、特殊清掃を伴う作業の場合は、細部まで自発的に目や心を配れる業者でないと、清掃残りなどがあっては後に大きな問題になってしまいます。
もしも対応の丁寧さと見積もり料金でどちらかの遺品整理業者に迷うような時には、必ず対応の丁寧な業者の方を選ぶべきです。

6-3. 返事が早いこと
遺品整理の期限が迫っていたり、急に必要になることもあるでしょう。
夜間や休日でも担当者に連絡が取れたり、見積もりを受けてくれる業者は、遺族の立場で考えてくれるところと言えます。
先述した対応の丁寧さと合わせて、これらはどれだけ遺族ファーストで対応してくれるかの目安になります。
少しでも違和感を覚える場合は、その業者には頼まない方がいいでしょう。
6-4. 現地を見て見積もりを出してくれること
見積もりは、必ず現地を見たうえで出してくれる業者に依頼しましょう。
電話やメール、見積もりフォームだけでは、正確な数字は出てきません。
そもそも部屋の大きさに対して荷物が多いのか少ないかの判断は、素人には主観でしか言えませんし、回収に費用のかかる不用品などは、こちらが申し込みの際に気がつかなければ伝えることもできません。
お互いの考え違いを防ぐためにも、必ず現地を見て見積もりを出してくれる業者を頼りましょう。

6-5. 相場料金であること
第3章で挙げた、間取り別の全国の遺品整理料金相場をもう一度ご紹介します。

この料金一覧はあくまでも目安ですが、見積もりを出してもらった際に、あまりにも金額が相場と違いすぎるところは、必ず理由を問い合わせましょう。
実際の遺品整理が始まってから、現場であれこれと追加されても断ることができないものです。
安いからと飛びつかず、また逆に高い場合は希望していないオプションがついている場合もありますので、本当に必要な作業かどうかを身内と相談して確認しましょう。

7. 迷ったら遺品整理業者を利用しよう

遺品整理はもともと、故人に対する気持ちが落ち着いたところで、遺族がゆっくりと時間をかけて行うことのできるものでした。
しかし昨今の高齢化や単身化により、自分たちの手だけで行うことは難しくなっており、この先も業者を利用することの方が一般的になるでしょう。
気持ち的にもナーバスになりがちなところですが、だからこそ、自分たちだけでやるか業者に依頼するか、迷った場合は業者を利用することをおすすめします。
遺品整理業者の利用をおすすめする理由は、大きく以下の3つです。
- 早く終わる
- 処分するものを間違えない
- 肉体的な負担が減る
順に詳しく見ていきましょう。
7-1. 遺品整理業者を頼った方がいい理由①:早く終わる
遺品整理において、自分で行う際にもっとも時間と労力のかかる部分は「分類」と「処分」です。
身内だけで遺品を見て、それぞれ残すものや形見分け品の分類を行うと、故人との思い出に浸りながらつい時間がかかってしまいます。しかし業者に頼めば、テキパキと迅速に分類を進めてくれます。
また「買取」や「不用品の回収」についても、まとめて行えば一気に片付きます。個別の買取業者や不用品の回収業者を比較検討しながら探している間、遺品に囲まれ続ける状態を回避できるのです。
そして早く済ませるほど、電化製品やブランド品の買取価値も高い状態なので、遺族の助けとなってくれます。
期限が決まっている場合はもちろんのこと、特に期限のない場合でも、遺品整理はできるだけ早い段階で素早く終わらせておくのが良いでしょう。
7-2. 遺品整理業者を頼った方がいい理由②:処分するものを間違えない
特に財産や金品に関するものは、誤って廃棄することがないようにしたいものです。
遺品整理業者は複数の現場を見てきた経験があるため、書類ひとつを見ても、瞬間的に大事な書類かそうでないかの判断をすることができます。
また、故人がへそくりとして金品をどこかに隠していた場合なども、遺品整理業者は経験を元に見当をつけて探し当てられることが多いのです。
遺族に必要になるものをきちんと見つけ出すことで、故人の想いと遺族をしっかりと繋げてくれます。
7-3. 遺品整理業者を頼った方がいい理由③:肉体的な負担が減る
遺品整理を行う遺族の精神的な負担は、年末の大掃除や引っ越しとは比べようもありません。
たとえ作業の規模感が同じくらいであったとしても、故人の愛着がこもり、生活を思わせる遺品をひとつひとつ手放していく行為は、時に身を裂かれるほどの精神的な苦痛を伴うこともあるでしょう。
大型家具の運び出しや清掃など、だれがやっても結果が同じになることについては、せめて肉体的な負担を減らすことで、遺族の心の回復を早めます。
遺族が女性ばかりであったり高齢であったりする場合も、遺族の負担を軽くすることは、多くの故人が望むことです。
8. 遺品整理は片付け堂にお任せください
全国の市町村から認可を受けている、安心の全国ブランド「片付け堂」では、遺品整理士がご遺族の心に寄り添いながら、専門知識と経験を活かした遺品整理のサービスを行っております。
遺品整理におけるお客様の”困った!”をすべて解決すべく、仕分け作業、供養やお焚き上げ、買取、不用品の処分、特別清掃と言った遺品整理作業の悩みから、遺品整理をした「後」に出てきがちな、リフォームや解体、外構工事までワンストップで対応します。
確かな知識と技術に裏打ちされた全国統一品質でサービスを提供しているので、遺品整理を安心して任せることができます。
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【片付け堂の特徴】
特徴①遺品整理にまつわる各種資格や許認可を所有
遺品整理のプロフェッショナルとして遺品整理士の資格を取得しているのはもちろんのこと、遺品を整理した後に不用品となった物の収集運搬においても、全国の市町村から認可を受けています。さらに買取にあたって必要な古物商の許可も取得しているため、遺品整理にまつわるすべての事柄を、適正な手順と体制で行うことができるのです。
特徴②LINEビデオ通話を使った簡易見積もり
メールや電話など、素人の口頭では抜けてしまったり説明しづらかったりする現場の状況を、LINEのビデオ通話機能を使って大まかに把握し、簡易見積もりを出すことができます。正確な見積もりは現地を確認したうえで算出しますが、訪問前にプロの目で見たおおよその目安金額がわかるのはうれしいところ。もちろん、LINEでも訪問でも、どちらの見積もりも無料で行います。
特徴③姉妹ブランドでさらなる高価買取を提案
遺品整理で買取が発生するのはよくあることですが、高価なものも安価なものも一括買取でまとめて回収され、値段をつけられてしまうケースもあります。片付け堂では、さらなる高価買取をご希望の方向けに、姉妹ブランドである「買取専門リサイクルショップ 買取り堂」での、宅配買取の利用を提案することができます。
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まとめ
今回は遺品整理について、詳しく解説しました。
遺品整理とは、故人が生前に所有していたすべての物品を、それぞれどう処分するか適切に判断し処分する作業のことであり、場合によっては以下のように終えるべき期日があることをお伝えしました。

たとえ期限がなかったとしても、遺品整理は故人の想いを受け止める最後の機会なので、できるだけ早く行う方が良いでしょう。
そして遺品整理を自分で行うか遺品整理業者に依頼するかの判断ポイントと、それぞれのメリットについてもご紹介しました。
自分でやる遺品整理のやり方を詳しくご説明しましたが、遺品整理はかなり大掛かりで負担の大きい作業であることがおわかりいただけたかと思います。
しっかりと人手や時間を確保し、ひとつひとつコツコツと地道に片付けていきましょう。
もし遺品整理業者に任せる場合には、トラブルや詐欺などに合わないよう、必ず以下の5つの点を叶えるしっかりした業者を選んでください。
- 資格を持っていること
- 対応が丁寧なこと
- 返事が早いこと
- 現場を見て見積もりを出してくれること
- 相場料金相応であること
あなたの初めての遺品整理に悔いが残らないよう、そして何よりも大切な方を亡くされたあなたの心に少しでも寄り添えるよう、この記事があなたのお役に立てることを祈ります。
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